ボクには「自分の名前をインターネットで検索する」という悪癖がある。
そういう事をしても基本的に益はないから、おやめなさい。という編集者や同業者の忠告も聞かず、思い出すとふと自分の名前をグーグル様に入力してお伺いを立て、自著への厳しい言葉をしかめ面して眺めたり、お褒めの言葉を鼻の穴膨らませて見つめたりする。
そして先日、自分の名前を例の如くグーグル様に入力してみると、よく分からないサイトがひっかかった。
ネット掲示板の「天罰」というスレッドである。
怖々そのリンクを踏み内容を見てみると、どうやらそれは「神様に天罰を与えて欲しい人」の名前を記すための場のようであった。
で、ボクの名前がそこにちょこんと書かれている。
呪われてるやん……と思って、日付を見ると今から大体半年前だ。
しかしその時節に人から恨まれるような事をした覚えがとんとない。
まあ、こちらに覚えがなくても恨まれる事もあるなんてのは世の常ではあるが、さすがにそういう場に名前を書かれるとちょっとげんなりする。
しかもそのスレッドの他の書き込みは、
「○○○に住む△△△、家が焼けて死ね」
などと、おぞましいながらもどこか興奮混じりの、言わば「ついカッとなってやった」的なニオイが見受けられるのに対し、ボクのはただ、
「森橋ビンゴ」
と名前だけが書き込まれており、極めて冷静に「ボクに天罰を受けて欲しい」と思っている感じがそこはかとなく漂っている。うすら寒い。
で。その掲示板というのは書き込み者のIDが記載される形式なので、この書き込みした人のIDを調べれば、他に
書き込みしているスレッドが(あれば、の話だが)分かったりするわけである。
ひとつ、ここは調べて、書き込みした者の人となりを知りたいものだな。
と、ふと思い、それを実行してみた。
すると、グーグル様がさらにふたつのスレッドをお知らせになられた。
「近々死んでほしい人の名前を書きなぐるスレ」
「書き込んだ相手に天罰がくだるスレ」
呪 い が 増 え た 。
そして見てみるとやはり極めて冷静に「森橋ビンゴ」と名前だけが記されていた。
もう、呪いの三冠王だよ。
といった事があったのが、エンターブレインのパーティの前日だった。
この書き込みがもし同業者の手によるものだったら、明日のパーティで鉢合わせする可能性もあるな。
とすると、ボクに対してやたら挙動不審な態度を見せる人間が犯人かもしれぬ。
そして翌日、いざ会場に行ってはみたものの、犯人探しとかする以前にとりあえずビールを飲んだらあまりにおいしかったので酒を呷っているうちに割とどうでもよくなって終わった。
みんないい人だったから、たぶん犯人じゃないんだろう。
そんなこんなで呪いを受けたままだが、とりあえずまだ、生きている。
おかげさまで日に日に逞しくなってまいりました。
ほんでまあ、呪いを消すべく、なんか仕事してるフリでもしようと思ったので、「短編森橋 」を更新してみた。
「ドードー鳥と秋の海」という、「ドードー鳥と冬の空」の続きとして書いた未発表短編である。
まあ、暇つぶしにでもしてもらえたらと思う。
みんながこれを読んで面白いと思ってくれたらボクの呪いも解けてきっと幸せな日々が訪れる事をボクは信じてるよ。
>作品を拝見したことがないんですが、ブログとツイッターのファンですvパーティでは先生にお会いできればと思って参加したのですが、あまりの人の多さに怯んで見つけられなかったです・・・しょんぼり。
たぶんファミ通文庫系じゃない作家さんとかイラストレーターの方なのかなあ。
ボクはパーティに行っても片隅でビールを呷りながらご飯食べてるだけなので、あんまり見付けられない気ははする……。存在感ないし。
ぜひ、来年。ついでに作品も読んで頂けたらなお、嬉しいです。
>先日ご挨拶させていただいた者です。ありがとうございました。ビンゴ先生とヤマト拳法のお話ができて光栄でした。緊張してあまりしゃべれなかったのが悔やまれます。またお話できる機会があったらいいな…と思っております。そのときはよろしくお願いいたします。
いや、こちらこそあまりに突然だったので挙動不審ですみませんでした。
2次会が別の場所なのでなかなか話す時間がありませんで……。
来年は1次会の時に探して頂けたらたぶんずっとレイザーの話とか、します。
>お久しぶりです、芸大フリーターです。まさか見逃したビンゴ先生の短編が読めるだなんて、嬉しくてビクンビクンしちゃう。
短編集も出ない零細でごめんね。
と思ったのでもう勝手にネットに載せちゃいました。
今後も、他の雑誌に載ったやつとかちょこちょこ載せると思う。
あと、はたらけ。
>( ゚д゚)ビンゴー
>( ゚д゚ )
こっち見んなw
って返せばいいんだろう。
ボクだってそれくらい知ってるのだよ。
もうじき新しい仕事も発表できる、気がする。
それまでは生きていきたい。呪われながら。